低温調理ローストビーフ

 

こんにちは!お待たせしました!(?)今回は久々に低温調理にまつわる話題です!

 

長らく記事は書いていなかったものの、うちのキッチンではひとつの調理器具として日常的に低温調理器を使っております。

低温調理した鶏胸肉はほぼいつでもストックしてある状態で、豚、牛と常に何かしらのお肉を食べているおかげでここ数年風邪すら引くこともなく過ごせております。なんでだろうか。すべてが食生活のおかげなのか本格的に不思議になりますねぇ…

それはさておき先日、クリスマス以来久々に低温調理ローストビーフを作りましたー。

EPA発効されたのが関係あるのかしら。牛もも肉や牛肩ロースの塊肉がグラム150円以下という値段になっていたので、これは!と思い即買い。冷凍ストック用も購入!すぐさまひとつローストビーフにしました。

低温調理ローストビーフ

 

今回は厚みが3~4cmくらいとそこまで厚ぼったくなかったので低温調理器の設定は60度で1時間30分。見事にミディアムレアな仕上がりになりました!厚みがある場合は温度は上げずに時間を長くして調節するのが基本ですね。

ローストビーフの低温調理レシピ記事は以前に上げたので必要でしたらご参考までにどうぞ。

【つっしーさんのレシピ再現】低温調理でローストビーフ!

クリスマスにもおすすめ!仕込み簡単!絶品おいしい低温調理ローストビーフ

 

今回はレシピはさておき、ローストビーフを手作りすると結構な割合で不安なるであろうポイント、「ローストビーフを切ると出てくる赤い液体は何?」をメインに掘り下げようと思います!

今回作ったローストビーフからももちろん出てきました。それではよろしくお願いいたします!

ローストビーフを切ると出てくる赤い液体の招待はミオグロビン

低温調理前の牛もも肉。 オリーブオイル、にんにくスライス、ローリエ1枚と一緒に1日冷蔵庫のチルド室で寝かせたものです。

 

肉から出てくる赤い液体と言えば、想像してしまうのが血液かと思います。しっかり火入れした肉からそれが出てきたらさぞ不安になってしまいますよね…。

ならない、またはそれを眺めて楽しむ、という方は栄養学にお詳しい方、もしくは強靭なメンタルの持ち主またはサイコパス傾向がある方と思いますが、なかなか少数かと存じます。

ですが心配しなくて大丈夫です。しっかり火入れした加熱後の肉から出てくる赤い液体の正体は血液ではなく筋肉に含まれる、色素タンパク質のミオグロビンです。

ミオグロビンはヘモグロビンが運んでくる酸素を筋肉中に運んで筋肉が酸素を必要とするまで貯蔵しておく働きをするタンパク質の一種。なお、ミオグロビンは鉄分を含んでいるので赤い色をしています。

よって、肉から出てくる赤い液体はミオグロビンに含まれる鉄分の赤い色素を持った肉汁といったところになるんですねー。そもそも論ですが、肉が赤い事の正体とも言えますね。

 

ちなみに肉は火入れすると外側から加熱されて茶色くなっていきますが、これと同時に肉汁は内側へと入っていきます。ですので火入れ直後の肉の塊からは赤い液体は出てきませんが、スライスすると内側から出てくるわけです。納得ですね!

逆に考えると周りが茶色いとしても肉の中心部まで火入れしきれていないという可能性も考えられますよね。生焼けってやつです。低温調理でなくても、ローストビーフでなくても厚みのある肉は中心部まで加熱できているかどうかは目に見えないので難しいところです。

ローストビーフを切ると出てくる赤い液体の招待はミオグロビン

低温調理後。
ご覧の通り、スライス前は赤い液体は出てません。
(にわかに出ますが気持ち程度)

 

なお、以前にも別記事で書きましたが、低温調理だと肉のタンパク質が変性する手前の温度(65.5度以下)で必要時間を火入れします。ですが50度でミオシンが変性した時点でしっかり肉の弾力は生まれるので、ローストビーフの中は赤いまま、でも火はしっかり通っていて程よい弾力もあっておいしく感じられ、しかも栄養も逃すことなくまるごと摂取できていい事尽くしとなります!改めて素晴らしい。

 

ちなみにローストビーフをカットする際には3mmくらいが良い、というか理想です。5mmくらいになると箸やフォークで持ち上げた時にしならず、肉の塊をもろに切ったような感じになるので包丁の腕という部分もありますが、可能であれば薄く切って頂くことをおすすめします!残念ながら私は肉を薄く切るのが苦手なので今のところまんべんなく3mmはなかなか難しい状況であります!

それから今回も書きますが、火入れしても牛肉の表面には殺菌しきれていない菌が付着していることがあります。表面は必ずバーナーで炙る、焼くなどしてくださいね。せっかくのおいしい自家製ローストビーフなので、レアを極めすぎて食中毒、と残念な事にならないよう細心の注意を払って低温調理しましょう。(バーナーについて興味を深めたい方は別記事をご参照ください。)

クッキングバーナーで家庭でプロ並みの技を再現!メイラード反応によるこんがりおいしい料理

バーナーで炙る自家製鰹のたたきが旨い!わずか数秒で簡単にプロの仕上がり

 

ということで今回はローストビーフの中が赤い理由とスライスしてから出てくる赤い液体の正体、ミオグロビンについてをお届けいたしました。また次回もよろしくお願いいたします!

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

▼低温調理器はしっかりと温度管理できて信頼できるメーカーのものを購入することを強くお勧めします。

▼低温調理器を取り付ける容器は保温性の高いものであれば鍋でもなんでも大丈夫ですが、下記はサイズ感がちょうどよく、私も愛用しています。

▼イワタニのクッキングバーナー&カセットガス。互換性のためイワタニで統一が必須なので購入の際はご注意くださいね。

▼低温調理以外の調理法で厚みのある肉の中心部の温度を計りたいという方は料理用温度計がマストアイテム。

低温真空調理で鶏むね肉の生姜醤油煮

おはようございまーす。本日もお越しいただき誠にありがとうございます!

今日はせっかくお越しいただいた皆様に、欲しい情報をお届けできるよう頑張って更新していきたいと思っているのですが、コラム系になります!

このブログ、低温真空調理がメインどころになっており、これまでいくつか実践ネタを上げたり、低温調理ってこんなに便利なんだよー!っていう記事は書いてきたのですが、今日はもうちょっとだけ深いお話、深いけれども必要最低限度わかりやすいお話をしていけたらと思っております。

ということで、本日のメインテーマは「低温真空調理、基本は放置で簡単便利でおいしくできるのは分かったけど、どうしてそんな事が実現されるの?」をご紹介させていただきます!

 

では早速。低温真空調理でメイン調理するのはおそらく肉かと思います。(魚ももちろんおいしくなるが)

高温で焼いたり揚げたりすると固くなる肉が、低温調理すると柔らかくしっとり仕上がる。これがこれまで書いてきたメリット部分ですよね。

ではどうして柔らかくしっとり仕上がるのか?です。

簡単に肉が持つたんぱく質を3つに分けてご紹介しますと、

  • ミオシン
  • アクチン
  • コラーゲン

この3つになります。

これらが高温で加熱されることにより変性して肉の色が変わったり、肉質が固くなったりするわけです。

変性するのが全て悪いと言っている訳ではなく、おいしく食べられるところまで変性してくれていいけど、ちょうどいいところで止まってね、というお話。ちょうどいいところでキープして調理できるのが低温真空調理、なんです。

 

では実際に何度で何が変性するのか。

50度→ミオシンが変性し始める(肉の弾力性が出始める)

56度→コラーゲンが変性を開始する

65.5度→アクチンが変性を開始する(肉の水分が抜けてパサつき始める)

 

こういった温度変化による変性が起きると肉質が変わる訳なのです。

なので、シンプルに言えば上記の50度~65.5度の間をキープして、食材ごとに必要な時間調理すればベストな状態に仕上げることができるんです。これが低温調理です。低温真空調理にするのは空気に触れさせないことにより温度設定を確実にして、さらに空気のせいでお湯の水面に浮いてこないようにする事が一つの理由。

 

お分かりいただけましたでしょうか?

鶏肉、豚肉、牛肉、ラム肉など、食材によりけりそれぞれ何度で何時間肉の中心温度を加熱することによって殺菌できる、というのが違うので確実に設定することが肝心ですが、基本の低温調理の理屈は上記のとおりです。

これらの事を科学的にわかりやすくかかれているのが下記の本。私も読んでいる…。

Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)ですね。

低温真空調理というのは海外ではポピュラーになりつつあるも、日本ではまだそれほどメジャーでないため参考書を探しても出ていないんですよね。なのでこの本は非常に貴重です。取り上げているのは一部ですが、それ以外の本編も非常に興味深い内容ですので食の理解を科学的に深めたい方は必読品です。面白いです。ぜひご参考ください。

これは低温真空調理で作った鶏むね肉の生姜醤油煮。

低温真空調理で鶏むね肉の生姜醤油煮

しっとり柔らかく、ナイフもするりと入ります…。噛む度にこれが鶏むね肉という事を忘れて崩れ落ちるおいしさ…。

 

という事で、このブログで今後もたくさん登場するであろう低温真空調理の理屈、お分かりいただけましたら幸いです。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました!

 

Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books) 身近な料理の裏側を科学的に知れます

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